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月 ~優香~
第16章 俺じゃダメ?
「今終わりました。段取りはだいたいOKです。

今日、このまま帰ります。」



客先をめぐって、報告の電話を入れる。


ビルから出てくる女に目がいった。





「優華だ。」




俺の知る優華とは、全く別人のようにスーツを着こなし、

髪をアップにして、高いヒールを履いて、隣の女性に指示を出していた。

歩き方も、別人のように颯爽としている。




俺は、自分の目を疑った。



俺は、優華に気付かれないように二人の後を着けていった。

しばらく歩くと、二人は、雑居ビルに入って行った。

どれが優華の会社かわからない。




普通の会社なら、もうすぐ定時だ。




俺は、少し都合よすぎるかと思いながらも、

一階にあるファーストカフェで、優華を待つことにした。



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