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写性 …SHASEI…
第14章 金木犀 キンモクセイ
僕はアトリエから道具を運び、その姿を絵に留めた。愛の結末を留めていくために…
「お父様…」
絵を描き終え、沙絵の体を拭き布団を掛ける。沙絵はしばらくそのまま眠っていて、ようやく目が覚めた。
「沙絵」
抱き締めてキスをし着物を着せる。
「あ…絵を描いたの?見せて。」
「いいよ。」
「これ、私?」
「ああ…ちゃんと愛してる証拠に描いたよ。
綺麗だったから…」
「ありがとうお父様…」
「怖くなかった?」
「大丈夫…お父様は満足した?」
「ああ…とても…」
「良かった。我慢しないで、また言ってね。」
これからの不安定になる季節…僕は沙絵に甘えて何度となく愛し合った。
それは金木犀の甘い香りとともに僕の体に染み渡る。
あの甘い香りを放つ小さな花を良くみたことがあるだろうか、その小さな姿からあれだけの香りがするのは不思議だ。
でも可憐なその花は意外に肉厚でまるで造花のようだ。
僕と沙絵の愛も金木犀のように甘美な香りを放ちつつ造りものだったのだと思う。
「お父様…」
絵を描き終え、沙絵の体を拭き布団を掛ける。沙絵はしばらくそのまま眠っていて、ようやく目が覚めた。
「沙絵」
抱き締めてキスをし着物を着せる。
「あ…絵を描いたの?見せて。」
「いいよ。」
「これ、私?」
「ああ…ちゃんと愛してる証拠に描いたよ。
綺麗だったから…」
「ありがとうお父様…」
「怖くなかった?」
「大丈夫…お父様は満足した?」
「ああ…とても…」
「良かった。我慢しないで、また言ってね。」
これからの不安定になる季節…僕は沙絵に甘えて何度となく愛し合った。
それは金木犀の甘い香りとともに僕の体に染み渡る。
あの甘い香りを放つ小さな花を良くみたことがあるだろうか、その小さな姿からあれだけの香りがするのは不思議だ。
でも可憐なその花は意外に肉厚でまるで造花のようだ。
僕と沙絵の愛も金木犀のように甘美な香りを放ちつつ造りものだったのだと思う。