この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
写性 …SHASEI…
第19章 来訪者
大人になれば、お母様の歳を越えれば、なれると思っていたのに、
お母様も私も知らない人に、一番を取られてしまったのだ。
「まだ、僕の性癖の全ては打ち明けていないよ。」
まだ…
つまりそのうち打ち明けて、全て受け入れてもらおうと思っているということだ。
「沙絵、泣いているの?
僕はずっと沙絵と一緒にいるよ。沙絵を愛してる。」
「沙織は?お母様は?死んだら終わりなの?
私は、ゆう君のために何でもしてきたのに…」
「沙…」
お父様はどちらを呼ぶでもなく、そこで詰まったまま黙って私を抱き締めた。
好きな人の、毎日お父様に会いに来る愛しい人の名前すら聞いてないの?
とさっき心の中で笑った私…
私にも名前がないんじゃない…
ふふっ…ふふふっ…
「沙絵、泣かないで、いつも笑っていて、僕はずっと一緒にいるから…」
そうよ。お父様を一番愛したお母様、自分を捨てて、全てを捨てて、お父様に身を捧げたお母様。
私も私を捨てよう。お父様に愛してもらうために…
このとき、心の奥底に隠れていた影が広がり闇となり、私のすべてを覆ってしまったのだ。
お母様も私も知らない人に、一番を取られてしまったのだ。
「まだ、僕の性癖の全ては打ち明けていないよ。」
まだ…
つまりそのうち打ち明けて、全て受け入れてもらおうと思っているということだ。
「沙絵、泣いているの?
僕はずっと沙絵と一緒にいるよ。沙絵を愛してる。」
「沙織は?お母様は?死んだら終わりなの?
私は、ゆう君のために何でもしてきたのに…」
「沙…」
お父様はどちらを呼ぶでもなく、そこで詰まったまま黙って私を抱き締めた。
好きな人の、毎日お父様に会いに来る愛しい人の名前すら聞いてないの?
とさっき心の中で笑った私…
私にも名前がないんじゃない…
ふふっ…ふふふっ…
「沙絵、泣かないで、いつも笑っていて、僕はずっと一緒にいるから…」
そうよ。お父様を一番愛したお母様、自分を捨てて、全てを捨てて、お父様に身を捧げたお母様。
私も私を捨てよう。お父様に愛してもらうために…
このとき、心の奥底に隠れていた影が広がり闇となり、私のすべてを覆ってしまったのだ。