この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
写性 …SHASEI…
第20章 影
「お父様、アトリエの新しいカーテン開けていい?」
「ああ、いいよ。」
「ここはあの人の場所になったのね。」
三種類の着物で色んなポーズをとるあの人の絵が何枚か飾られていた。
絵を見ればわかる。あの人もお父様もお互いにお互いが好きなのだと。
「レッスンの時に見るからね。奥の部屋は沙絵と沙織の場所でそこにはあの人は入れないから…」
笑いながら涙する私をお父様は寝付くまで抱き締めていた。
要らないと思われたくない。必要と思わせたい。
そして、あの人のことも知りたい。
私はお父様にぴったりとくっついて寝て、お手伝いをたくさんして、お父様をあの部屋に呼んだ。
お父様とあの人がアトリエに入るとドアまできて中の様子を伺った。
どうやら午前中は絵のレッスンをして、午後はお父様があの人の絵を描くというルールになっているようだった。
お父様を困らせて嫌われるようなことはしない。
きちんと勉強をして、午後二人がアトリエに入りしばらくしてから、物音を聞き耳を立てて様子を伺った。
私は今までお父様の愛を、お母様の娘、お母様に似ているということで、一身に受けていた。
私にはいつも日が当たっていたと思ったけど、影の薄いお母様の代わりに浴びていた陽の光は、
あの人の大きな影響で当たらなくなり、私は陰に隠れてしまったのだ。
「ああ、いいよ。」
「ここはあの人の場所になったのね。」
三種類の着物で色んなポーズをとるあの人の絵が何枚か飾られていた。
絵を見ればわかる。あの人もお父様もお互いにお互いが好きなのだと。
「レッスンの時に見るからね。奥の部屋は沙絵と沙織の場所でそこにはあの人は入れないから…」
笑いながら涙する私をお父様は寝付くまで抱き締めていた。
要らないと思われたくない。必要と思わせたい。
そして、あの人のことも知りたい。
私はお父様にぴったりとくっついて寝て、お手伝いをたくさんして、お父様をあの部屋に呼んだ。
お父様とあの人がアトリエに入るとドアまできて中の様子を伺った。
どうやら午前中は絵のレッスンをして、午後はお父様があの人の絵を描くというルールになっているようだった。
お父様を困らせて嫌われるようなことはしない。
きちんと勉強をして、午後二人がアトリエに入りしばらくしてから、物音を聞き耳を立てて様子を伺った。
私は今までお父様の愛を、お母様の娘、お母様に似ているということで、一身に受けていた。
私にはいつも日が当たっていたと思ったけど、影の薄いお母様の代わりに浴びていた陽の光は、
あの人の大きな影響で当たらなくなり、私は陰に隠れてしまったのだ。