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写性 …SHASEI…
第39章 桜
『明日もいらしてね。』

水を入れたコップと置き手紙を机に残し、衣装部屋の服を運ぶ。

実くんの帰りに間に合うように目覚まし時計をセットした。

今日は話したくない、さっさと帰って欲しいという意思表示だ。


準備の間にお父様にお風呂を進めた。



「沙絵、こんなことをしてなんになるんだろうか?」

昼食の支度をしながらお父様に訊かれる。

「わからないわ。それを探っているの。でもまずは素敵な写真が撮れたはずよ。」

深くは話さない、実際何がしたいのか、私にもわからないのだから…

ただ、いずみさんにお父様を見守って欲しいことと、
今までの精算をしたいだけ…

あとは気の向くままに行動していた。

「いずみはもう来ないかもしれないね。」

「それならば、二人の愛とやらは、そんなものだったということよ。」


ちょうどその時アトリエのドアが開き、いずみさんが私たちに声をかけていた。

私が口に指を立てて当て、お父様に合図すると、

お父様は黙っていてくれた。

あの人は明日も来る。

信じたいのか確信があるのか、そう思っていた。

お父様は私がそれ以上何も話さないだろうと察したのか、その話題には触れなかった。
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