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写性 …SHASEI…
第6章 誕生日
罪悪感を吹き飛ばすくらいの吐精と爽快感。

僕を見下ろす沙絵に申し訳なくなり、引き寄せて抱き締めた。

「お父様…」

「愛してる…沙織…」

「私も…ゆう君…」

意識が覚醒しているのに、沙絵を沙織と呼んだ。

沙絵も沙織を意識して演じていた。

本当に抱いてしまうより、まだいい。そんな言い訳でごまかして…


沙絵が、人から愛されることに飢えているとも気づかずに、身代わりでもいいからというほど、愛されたいと思っているのに…

それに乗じて僕は生きた沙織が欲しくなった。


沙絵の頭や背中を撫でる。
沙絵はキュウッと襟を掴む。

その小さな手を剥がし、懐の中に潜らせると、僕の胸を撫でる。

「お父様温かい。」

「沙絵も温かいよ。」

脇に手を入れて引き上げ、小さな唇に自分の唇を重ねた。

一瞬驚いた沙絵を離すと、自ら上がってきて、お返しとばかりに僕の唇に自分の唇を押し付けてきた。

チュッ…チュッ…

その唇を啄んで、
「沙絵…愛してるよ…」

父娘のそれか、恋人の愛かもはっきりさせないままに告げていた。


「お父様…沙絵のこと好き?」

「好きだよ。」

「私もお父様大好き、ずっと一緒にいてね。」

「もちろん、ずっと一緒にいるよ。
さあ、ご飯の支度をしようか…」

「はい。」
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