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写性 …SHASEI…
第43章 卒業記念
「じゃあいってらっしゃい。」

一旦家に戻って実の描いた絵を持ってお屋敷に向かう。もし機会があるなら、実の絵を二人に見てもらおう。

そう思って籠の中に入れた。

首輪を填めてアトリエに這っていく。

「おはようございます。
沙絵さん…」

「いずみさん、おはよう。
しばらく、お父様の後ろの椅子に座ってらして。」

私はお父様に絵を描いて欲しいと話していた。
いずみさんとお父様の愛の儀式。
それを体感したかった。


「学校の制服ですか?」

「そうよ。記念に描いてもらってるの。」

ワタシは立ち上がって椅子に腰掛けた。

「記念ですか…お誕生日のですか?」

「ん…まあそんなところね。」

沙絵さんの制服姿は可愛らしかった。
セーラー服に赤いタイが似合っていた。
紺のスカートも今の子にしては長めで、いたって普通の高校生だったんだと改めて思った。

ワタシは約束をすっかり忘れていて、制服姿を見せてもらうことの意味を思い出さなかったのだ。

先生は挨拶もなく作品に集中している。
もう色付けが始まっていて、肖像画のような沙絵さんは、制服の部分を色付けされているところだった。

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