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写性 …SHASEI…
第43章 卒業記念
考えない、体が示すように心を流されてしまえばいいのだ。

かくして、声を出さないという命令だけが残り、意識が朦朧としていった。


泣いていたいずみさんの体が、反応していることに気づく。

お父様が描いている姿、描いている絵を見て欲情したのだろう。

もしかしたら、仕打ちに堪えられず、解離して、自分がモデルになっていると思い込んだのだろうか。


コトリ…

お父様が筆を置く、それでも上の空で、何も反応がなかった。


ああ、気持ちいい…

「いずみさん、聞こえてる?終わったわよ?」

「はい、沙絵様…」

「縄酔いかしら…
ご褒美よ。お父様と好きに愛し合って。
写真は撮らせてもらうけどね。」

話しかけても反応は朧気で、自由に愛し合っていいと言っても、聞こえていないようだ。


ふわふわと体が宙に浮く。気持ちいい…

優しくソファーベッドに下ろされた。

「いずみ?大丈夫ですか?」

お父様も心配して声を掛ける。


先生に見つめられる。
ああ、あまりに思い過ぎて、とうとう現実と夢の区別が付かなくなってしまったんだ。

ワタシは淫らな人形。一人の世界で見たもの聞いたものに反応するイヤらしい体を持つ人形。
誰も相手にする筈がない。

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