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写性 …SHASEI…
第6章 誕生日
蝋燭を立てて歌を歌い、沙絵が吹き消した。
部屋の明かりをつけようとすると、
「お父様、つけないで…」
「どうして?」
「本当はね。お誕生日嫌い。」
「え…」
「だって、お母様が死んだ日だから、
私のせいでお母様を死なせちゃった日だから…」
「沙絵…半分こだよ。」
「お母様に会いたいなぁ。」
「そうだね、会いたいよね。僕の知ってる沙織を話すから、そして、沙織の分まで沙絵を大事にするから…悲しいこと言わないで…」
「お父様、私がいてもいいの?」
「いいよ。いや、いてもらわなきゃ困る。」
「お父様、ありがとう。もう電気つけていいよ。」
明かりをつけると沙絵は涙を拭いて一生懸命笑っていた。
「さあ、食べようか。」
「うん、いただきます。」
「お父様、ケーキ美味しいね。」
「美味しい。沙絵と半分こ、美味しいね。」
母親の顔を知らず、誕生日が命日なんて、しかも自分のせいで母親は死んだと思っている。
誕生日の度にそれを思い知らされる沙絵の辛さをどうにか半分こにしてあげたかった。
部屋の明かりをつけようとすると、
「お父様、つけないで…」
「どうして?」
「本当はね。お誕生日嫌い。」
「え…」
「だって、お母様が死んだ日だから、
私のせいでお母様を死なせちゃった日だから…」
「沙絵…半分こだよ。」
「お母様に会いたいなぁ。」
「そうだね、会いたいよね。僕の知ってる沙織を話すから、そして、沙織の分まで沙絵を大事にするから…悲しいこと言わないで…」
「お父様、私がいてもいいの?」
「いいよ。いや、いてもらわなきゃ困る。」
「お父様、ありがとう。もう電気つけていいよ。」
明かりをつけると沙絵は涙を拭いて一生懸命笑っていた。
「さあ、食べようか。」
「うん、いただきます。」
「お父様、ケーキ美味しいね。」
「美味しい。沙絵と半分こ、美味しいね。」
母親の顔を知らず、誕生日が命日なんて、しかも自分のせいで母親は死んだと思っている。
誕生日の度にそれを思い知らされる沙絵の辛さをどうにか半分こにしてあげたかった。