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写性 …SHASEI…
第45章 旅立ち
いずみがいつも通りにやって来た。
玄関に着替えの籠がないこと、衣装部屋の喪服に、沙絵に何があったのかと心配する。

沙絵の命令通りに『レクイエム』のテーマで絵を仕上げた。
沙絵の望み通り、喪服姿の憂いに満ちたいずみになった。

これで自分を葬るというのだろうか。
いずみに沙絵を偲ばせたかったのだろうか。

沙絵の最後の作品を見ながらいずみは涙していたが、僕の『おまけ』の写真に笑みが出る。

沙絵が無茶苦茶なことを言ってるのも、いずみには理解出来るようだった。


沙絵さんがいないし、喪服に着替えさせられて、その姿を絵にされる。

何があったのか、沙絵さんはまさか。
生まれてきたことを肯定的に受け入れたのではなかったの?

生きている。とは言われても、不安でたまらなかった。絵が仕上がり、アメリカに留学し、帰ってこない勢いだったと先生から聞かされた。
そして沙絵さんからの一連の命令であることも…


命令により、沙絵さんの作品展が始まる。金曜日の写真につけられたタイトルに驚いた。

『両親〜その愛の形〜』

両親と思ってもらえるだけで驚いた。

止まらない涙が離れたところに飾られた『おまけ』の写真とタイトルに笑いに変わる。

先生への最後の命令として預かっていた手紙を渡された。

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