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スローバラードを君に
第7章 junk vs シュガースパイス
不味い事を口走った、と背中が冷たくなるが、弁解の言葉が何も浮かばず、ドアの前で立ち尽くしているだろう美名の気配を息を詰めて窺うしかない。
きっと怒っているに違いない。小さな拳をキツく握り締め、唇を結んでドアを睨み、俺に対する恨み言を心の中で叫んでいるに違いない――怒られて、罵倒されるならまだいい――もしも、泣いていたら?
美名が涙ぐみながらその足でベンジャミンへ戻って、もし其処にヒロヤが居たりしたら――
奴はしめたもの、とばかりに、沈んでいる美名につけこんで迫るに違いない。
彼女の瞳から溢れる涙を奴がその指で拭うのか?
健気で華奢な細い肩を抱き寄せるのか?
俺の中から理不尽な程に烈しい嫉妬が吹き出してきて、気が付けば低くこう呟いていた。
「そんな事……許すものか」

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