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スローバラードを君に
第4章 夜明けのファルセット
何がそんなに楽しいのか、ニコニコしてミルクティーを飲むヒメの横顔を盗み見ながら、ヒメがどういうつもりでここに居るのかまだ理解出来ずにいた。
タクシーの中で殴られるのを覚悟した俺だが、運転手の
「着きましたよ~」
の声に反射的に
「降ります」
と返事をしてしまった。
ヒメはシートから起き上がり、キョロキョロすると「ここ、どこ?」
と聞いて、俺のアパートだと答えたら
「ふうん」
と一言呟いて俺をじっと見た。
先に降りて、一か八か手を差し出したら、ヒメは握り締めて降りてきたのだ。
タクシーが走り去った後、俺は思わず
「何で?」
と聞いてしまった。

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