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スローバラードを君に
第4章 夜明けのファルセット



ヒメは救いを求める様な目で見つめている。



「……思わなかったの」



俺は大きく溜め息を付いた。



「ヒメは……無防備過ぎるね……
俺が店で助けなかったら、ヒロヤに襲われてたよ?」



「助けてっ……て……
あなただって今襲ってるじゃないの!」



強烈なビンタが飛んで来た。



頬にジンジン痛みを感じながら、ヒメの手を握る。



「ゴメン……
だけど……俺は……」



「俺は何よ!」



ヒメに潤んだ目で睨み付けられるが、可愛くて頬が緩んでしまう。



「君が好きになったみたいだ……」



「……っ」



「ちゃんと順番を踏んで君と親しくなるつもりだったけど……」



「この何処が順番通りなのよ!バカっ」



またビンタされるが、その手を掴むとそっと口づけた。



腕の中のヒメは怒った様な、期待している様な、何かを言いたげに唇を僅かに開いて俺を見ていた。



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