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スローバラードを君に
第6章 蜜月



まあ、いいさ。

夢だろうが、思い切り楽しんでやるさ。



その時、美名がバラの花束を持って現れた。

夢の中でも、可愛くて堪らない。


そっと抱き締めると、


「しょう君……おめでとう」


と小さな声で言った。



夢の中でも、柔らかい感触は同じだ。



髪を撫でて耳元で俺も囁いた。




「美名に一番に見せたかった……今日のステージを」



「嬉しい……」




「美名……」




頬に触れて、唇を重ねようとしたその時、美名はザラリと嫌な音を立てて砂の形に変わり、跡形もなく風に舞ってしまった。



腕を差し出したまま、美名を呼ぶが、美名は現れない。



「美名……何故?」



掌に残る砂を握り締めて俺は絶叫した。




「お前が居なきゃ……
意味が無いのに……
美名――――っ!!」




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