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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第4章 男子の夏
礒塚は神懸った出来事をよく起こす。
ある風の強い日。下校中の礒塚のもとに風に乗って女性物の下着が飛んできたことがある。しかも、その下着の持ち主が美人だった。
藤園は礒塚と歩いていて、地下鉄の通気口から吹き上がる風で女性のスカートが捲り上がる、いわゆる『ププッピドゥ♪』を何度も見ている。不思議と磯塚がいないとそれに出くわさない。
たまたま撮った写真で、被写体の後ろにある家の窓に、着替え中の女子高生が映っていたり。
当たり付きのアイスを何回も連続で当て、駄菓子屋から出入り禁止とアイスの食べ過ぎでの猛烈な腹痛をプレゼントされたり。
宝くじの一等三億円の番号のふたつ違いで前後賞も組違い賞も逃したり、先着五百人にもらえるプレゼントの五百一人目だったり。
良くも悪くも、礒塚の周りでは、漫画でしか見ないような奇跡がいくつも起こっていた。
礒塚と一緒に行動すればラッキーハプニングで女子とお近づきになれるかもしれない。
もはや神頼みの勢いで遠藤は礒塚と行動を共にした。
実際礒塚は、引ったくりにあった女子を助けて、その女子と仲良くなった、という実績がある。しかもその女子は隣町のお嬢様学校の生徒だった。以来礒塚に片思い、といううわさが流れたこともあったが、本当のところは遠藤は知らない。
知らないが、そんなことがあれば。
行動力と勢いと、ノリのいい関西人の遠藤が、そんなハプニングに遅れをとるはずがなかった。
まして相手が美少女とあればなおさら。
しかしどういう理由か巡り合わせか。この夏は全く何の奇跡も『神』は起こさなかった。
仕方なく、遠藤は礒塚とボールばかり蹴っていた。
ヒデは別格としても、足元の技術は礒塚だってそんなに負けていない。その礒塚に付き合っているおかげで遠藤はボールコントロールの精度を向上させた。
攻撃の起点になるボランチにとって必要な「正確なパスを出す能力」
この夏、遠藤はその能力をぐんぐんと成長させた。
そんな遠藤の成長こそが、この夏、礒塚が起こした奇跡、と言えば、そうなのかもしれない。
サッカーに集中し、彼女欲しい病が幾分和らいだ遠藤は、それなりにカッコよかった。
そんな遠藤を陰ながら応援する女子が現れた…りする日も、もしかしたら来るかもしれない。
ある風の強い日。下校中の礒塚のもとに風に乗って女性物の下着が飛んできたことがある。しかも、その下着の持ち主が美人だった。
藤園は礒塚と歩いていて、地下鉄の通気口から吹き上がる風で女性のスカートが捲り上がる、いわゆる『ププッピドゥ♪』を何度も見ている。不思議と磯塚がいないとそれに出くわさない。
たまたま撮った写真で、被写体の後ろにある家の窓に、着替え中の女子高生が映っていたり。
当たり付きのアイスを何回も連続で当て、駄菓子屋から出入り禁止とアイスの食べ過ぎでの猛烈な腹痛をプレゼントされたり。
宝くじの一等三億円の番号のふたつ違いで前後賞も組違い賞も逃したり、先着五百人にもらえるプレゼントの五百一人目だったり。
良くも悪くも、礒塚の周りでは、漫画でしか見ないような奇跡がいくつも起こっていた。
礒塚と一緒に行動すればラッキーハプニングで女子とお近づきになれるかもしれない。
もはや神頼みの勢いで遠藤は礒塚と行動を共にした。
実際礒塚は、引ったくりにあった女子を助けて、その女子と仲良くなった、という実績がある。しかもその女子は隣町のお嬢様学校の生徒だった。以来礒塚に片思い、といううわさが流れたこともあったが、本当のところは遠藤は知らない。
知らないが、そんなことがあれば。
行動力と勢いと、ノリのいい関西人の遠藤が、そんなハプニングに遅れをとるはずがなかった。
まして相手が美少女とあればなおさら。
しかしどういう理由か巡り合わせか。この夏は全く何の奇跡も『神』は起こさなかった。
仕方なく、遠藤は礒塚とボールばかり蹴っていた。
ヒデは別格としても、足元の技術は礒塚だってそんなに負けていない。その礒塚に付き合っているおかげで遠藤はボールコントロールの精度を向上させた。
攻撃の起点になるボランチにとって必要な「正確なパスを出す能力」
この夏、遠藤はその能力をぐんぐんと成長させた。
そんな遠藤の成長こそが、この夏、礒塚が起こした奇跡、と言えば、そうなのかもしれない。
サッカーに集中し、彼女欲しい病が幾分和らいだ遠藤は、それなりにカッコよかった。
そんな遠藤を陰ながら応援する女子が現れた…りする日も、もしかしたら来るかもしれない。