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面影
第4章 秘密
電話を切っても、あの声が
離れない。
『ー今日、待ってるから。』
あいつに、
茉莉花(マリカ)に、
よく似たあの人の声。
用件だけを伝え、
一方的に切られた画面を見て
呆然と立ち尽くしていると
鍵を返した旭が追いついてきた。
『棗さん?』
『電話してた。行こう。』
『はい!』
ほんと犬みてーな旭。
こいつの後ろには、
尻尾が見える気がする…
可愛い系ってのは、
こいつのためにある言葉じゃないのか。
旭が来たことで、
ちょっと気が紛れた俺は
フッと笑いながら旭とBARを
目指す。