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第1章 生い立ち

「これから最初に生まれるペルセウスの後裔がアルゴスの王になろうぞ」



とゼウスは高らかに宣言。


これを聞いたゼウスの妻ヘラは


「なんてことなの？！夫の愛人に私より良い思いさせてたまるもんですか！！そうだわ、お産の女神エイレイテュイアに命じてアルクメネの出産を妨害してやるわ！」


この嫉妬深いゼウスの妻ヘラ女神が浮気相手(それも人間)の子供に名誉を与えることなど許すはずがありません



そして、とんでもないことを思いついたヘラは早速、腹心のお産の女神エイレイテュイアに命じてアルクメネの出産を妨害し、ヘラクレスを産むまで7日7晩、アルクルメネを陣痛で苦しめたのでした



「あぁ…早く生まれてちょうだい…」



アルクルメネはゼウスの所為で苦しむ羽目になり、神の子と人間の子の双子を産むことになったのだが、ヘラの陰謀で出産を妨害された所為で、もう一人のペルセウスの血を引くステネロスの子七ヶ月の胎児エウリュステウスを早産させました。


結果、ヘラの思惑通りに事は運び『自分の子が』とはっきり言わなかったことが仇となって、ゼウスは自らの宣言を履行せざるをえず、以後ヘラクレスは明らかに小人物であるエウリュステウスの下僕として仕える可哀相な運命に陥ったのでした。



(未熟児ちゃうんかい！と読者様は突っ込むはず。笑)



そんな妨害を受けつつも、双子の兄弟であるイーピクレスとともに無事にご誕生遊ばしたヘラクレス



「ふふふっ、いい気味だわ！」


このため、ゼウスの予言したヘラクレスのアルゴスの王になるという素晴らしい運命は、従兄弟であるエウリュステウスのものとなってしまったのでございますよ。



(本当可哀相…おっと！心の声が漏れてしまった)