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従わない奴隷
第7章 30代、レイコ
クローゼットの中から
一番カジュアルな服を
レイコに着せて

俺は
レイコの手を握り

エレベーターに乗った




「ねぇ、こんな格好で
恥ずかしいわ」



「いつもの格好じゃ
これから行くとこじゃ
恥ずかしいぜ?」



「でも・・・」





「つべこべ言うな

黙って
ついてくりゃい~んだよ




レイコ」





「だから

それは・・・」






「なんだよ」






「・・・なんでも



ないわ」






エントランスを抜け
頭を下げる
ホテルマンを通り抜け
ホテルの外に出た



「く、車は?」



「乗んね~~」



「ちょっ、ちょっと待っ・・」




車に乗らず
どんどん歩く俺

手を握られ
引きずられるように
歩く

レイコ




高架下の
トンネルを抜けて

駅に出る




券売機の前に立ち
レイコを見ると

目を泳がせている
レイコ



「乗ったことないって
訳じゃねぇだろ?」



「乗ったことは・・あるわ」



「久しぶりか?」



「・・・そうね・・」



それから
Suicaを
買ってやって



「これで
いつでも電車乗れるからな
今から行くとこ
覚えとけよ?」



そう言って
カードを渡した



改札を抜けて
電車にのる


あいにく
満席で座れない


レイコを
ドアの前に立たせ
外の景色を眺めさせた

うまく立ってられない
レイコを支えるように
俺は立つ





鏡に映る


あんな
えらそ~だった
レイコの



ちょっと
おどおどしている
顔が




なんだか





かわいかった
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