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第9章 ユウリと姉貴の店

帰り道にある
コーヒーショップに
車を停めて
エンジンを止める


まだ
手を握ってる
ユウリに


「降りるぞ？」



と、声をかける



「はい」



と、小さな声で
返事をするユウリ



あの時みたいだ



お前の
恋人役をやった時
こんな感じだった


お前は
やけに緊張していた


あの時は
恋人役だったから
お前の手も握ったし
肩まで抱いて

腰にも
手を回した



どんな・・

感じだったかな・・・


あの時は
気にも留めずに
いとも簡単に
そんなアレコレを
してしまっていた


だから


手から伝わったはずの
ユウリの
体型すら


俺は
全く覚えていなかった



あの時
あんなに簡単に
できたことが

今は
全くできなくて

そういえば
あれから俺は
ユウリに
指一本ふれていなくて




こんなに
側にいるユウリが
やけに
遠く感じて






歯がゆかった