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従わない奴隷
第9章 ユウリと姉貴の店
ユウリは
ちょっと
はにかんで
少しずつ
何度もコーヒーを
口にした
カップに付いてしまった
口紅を
何度も何度も
拭きながら。
しばらくすると
テーブルの上の
ペーパーナフキンで
口元を
拭いはじめた
「どうした?」
「口紅が・・・」
「気になるのか?」
「・・はい」
いつものように
ユウリは
強く唇をぬぐって
口紅を拭きとってしまった
あっという間に
ユウリの唇は
ほんのりと赤く
少し
腫れたように
ふっくらとした
「痛く・・・ないのか?」
「痛い?」
「そんなに
強く拭って
唇、痛くねぇの?」
「大丈夫・・です」
「なんで
そんなに
口ばっかいつも
拭くんだ?」
「・・・・」
ユウリは
少し考えるような
顔をした後で
俺にこう言った
「なぜだか分からないけど
唇とか
唇の周りに
何かが付いてると・・・
気になるんです
すぐに
拭きたくなっちゃって・・
だから
口紅は
なかなか
慣れないかも」
「ふ~ん・・・」