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第1章 30代、マリ

「好きな・・・

好きな人が
いたんです・・



今も



今も好きです・・・」





俺は

乳首を口に含んだまま

「・・ん？・・」

って答えた





「でも・・・

別れちゃって


別れちゃっても

私、彼のことが
忘れられなくて


優しくされたこと

忘れられなくて・・」




乳首から

口をはなして

俺は、ゆっくりと
マリの隣に
寝そべった



2人して
天井を見上げ

鏡にうつる
お互いの目を

見つめ合った




「優しいキスも

優しい・・・・

・・・・・セックス・・も


忘れられなくて



抱きしめられたくて

また

名前を呼んで欲しくて




たまらなくて・・」






マリは

布団から出てしまった
上半身を
隠すこともなく

ただじっと
天井にうつる
俺を見つめていた





「だ・・

抱きしめられたくて
たまらなくて


寂しくて
たまらなくて


セックス・・

したくて



ううん・・・・



されたくて・・・



求められたくて・・・」





泣きそうな顔の


マリ





そっと

マリの手を握ると




マリは



泣いてしまったのか



少し



顔をゆがめた