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従わない奴隷
第15章 俺と仕事
「今日行く店はな」




「え、あ・・はい」




「夜のバイトの
お客さんの店なんだよ」




「そ、そうなんですか?」




「前のワンピもな
その人の店で買ったんだ

駅の近くに
車停めて
そっから歩いて・・

すぐ着くからな」





「はい」




ユウリの
嬉しそうな「はい」
を左耳に
聞きながら

また俺は
ニヤけそうになった


いつもなら
口元を隠すように
手で顔を覆って
誤魔化すんだけど


左手は
ユウリの手を
握っていて
隠せないまま
俺はちょっと
顔をゆがめた








車を駐車場に停めて

数歩、歩いて

少し後ろを歩く
ユウリの
手をまた握った


今度は
驚いてない様子で

ユウリは



二、三歩
小走りして



俺の歩きに
合わせるように

近づいた



右手は
ユウリの手を握って
左手は
ポケットに入れて
歩いた



最初の信号で
止まった時


相変わらず
少しうつむくユウリの
顔を

カラダをかがめて
覗きこんだ



ユウリに
もう少し
近づきたくて

ほんの
数ミリでも
近づきたくて



俺は
サングラスを外した




サングラスを外すと

ユウリが
少し顔を上げて

俺を見た




あぁ・・


こんな唇の色
してたんだな・・








してぇなぁ・・









キス










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