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真実アイロニー【完結】
第10章 衝動的。
それから季節は移り変わる。
特に何か起こる事はなく、無事に夏休みに突入した。
夏休みといえ、教師までもが休みになるわけじゃない。
休み前と同じ様に出勤。
二学期の授業構成、文化祭、テスト。
やる事は山積みだ。
赤点保持者の補習だってある。
あれから、小早川とは挨拶を交わし、放課後桜の木の下で見かけたら声をかける程度。
それ以上進展する事はなかったし、する気もなかった。
当然ながら、小早川から電話がかかってくる事もない。
だけど、電話がない。
それはイコール、小早川に何も起きてないって事だ。
それなら気にしない。
俺は相変わらず、無表情で外を見つめる小早川の事を好きだったけど。