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真実アイロニー【完結】
第10章 衝動的。


「もしもし」

『……』

「もしもーし。どちら様ですかー?」

『……』

「もしもしー」


通話口の先に誰かがいる気配はするのに、何も喋らない。
うーん、イタズラ電話か?



「話さないなら切るよー」

『……せ、んせ』

「っ!?」


微かに聞こえた声。
掠れてうまくなんて聞き取れなかった。

だけど、この声。
……小早川だ。


「……小早川か?」

『……っ』


息を呑む音だけが聞こえる。
連絡先を教えてるのは小早川しかいない。


先生、そう言って来るのは彼女だけだ。

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