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真実アイロニー【完結】
第10章 衝動的。
そっと両肩を掴むと、彼女の顔を見つめた。
薄い茶色い瞳が俺を捉える。
その、瞳に映る俺の姿。
「……小早川」
ぽつり。
そう呟くと、ゆっくりと顔を彼女へと近付けた。
俺が瞼を閉じるのと一緒に、彼女も瞼を閉じる。
彼女の柔らかい唇が、俺の唇に触れた。
薄く色付いた彼女の、小早川の唇。
角度を変えては再度、触れる。
やっぱり小早川は無表情で。
ニコリともしない。
その、茶色い瞳の奥には。
きっと、琥珀君しかいない。
もう。
それでも構わなかった。
再度口付けを落とすと、小早川はゆっくりと目を閉じた。
そして、ぱさりと自分の衣類を脱ぎ捨てる。
「……こばや」
露になった肌色に、ドクンと俺の心臓が波打った。
下着だけを身に付けた状態の小早川は俺のこんな愚行も受け入れる様だ。
もしかしたら、彼女はここに来るってなった時点でこうなる事を予測していたのかもしれない。
そして、それでもいいと思ってくれていたんだ。
ぴくりとも動かない小早川の表情。