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真実アイロニー【完結】
第6章 目が離せない。
だから、彼女がいるだなんて嘘を吐いたんだ。
その嘘は、そういう感情を持って欲しくない為。
諦めて欲しい為。
だけど、俺からその感情を持ってしまったら?
もしも、俺からその感情を抱いてしまったら。
……なんて事を考えてるんだよ、俺は。
絶対にあり得ない、そう思ってたのは俺の方じゃないか。
だから、最初から諦めて貰う様に嘘を吐いたんじゃないか。
ぐっと、幹に触れている手に力がこもった。
些細なきっかけで壊れてしまう子がいるんだ。
その、些細なきっかけに俺がなってしまったらいけないんだ。
そんな子達を支えてやる側にいないといけないんだ。