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真実アイロニー【完結】
第7章 暴露
近付き過ぎず、遠過ぎず。
この距離感はどうしたって難しい。
そして、そこに大事な教え子以上の感情を持ち合わせてしまった場合は特に。
“それは偽善だと思います”
この言葉は思ったよりも俺にダメージを与えていた。
放課後、職員室で作業をしようと机に向かっていたけどそれは一向にはかどらない。
小島さんの言葉が、頭にこびりついて離れようとしてくれなかった。
作業する手を一旦止めると、俺は頭を振った。
ダメだ。
集中なんて出来ない。
気分転換するか。
そう、決めた俺が向かった先。
それは、あの桜の下だった。
小早川がいる筈なんてないのに。
どうしてだか、向かうのはここだ。