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君へ贈る愛の唄
第10章 ♪恋人達のペイヴメント

今日はクリスマスイブ。
ついにこの日を迎えた…。


最後ぐらい拓也と恋人気分を味わいたくて、外へデートしにやって来たのだ。


そこは…

「うわ〜キレイ!」

「そうだな」

人気のイルミネーションスポットだった。


街路樹に点灯された鮮やかな光の中、2人手をつないで歩いた。
途中、何組かのカップルとすれ違う。
みんなとても幸せそう。


「ねぇ、私達もカップルに見えてるかしら?」


「多分。親子には見えないだろうな」


拓也が私を見下ろし笑った。

「ふふ、そうよね」

「母さん」

「え?」

すると拓也がポケットから何かを出して、私の首につけてくれた。


「拓也、これ…」

「母さんに似合うと思って」

それはハートモチーフの素敵なネックレスだった。


「嬉しい…どうもありがと…」

「おい、泣くなってば」


「だって」

ああ。このまま時が止まってくれたら、どんなにいいだろう。

拓也。

世界中で一番大切なあなた。

どうか幸せに。

ただそれだけを、願っているわ……。
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