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戦国×ハロウィン
第3章 ホラーハウスSANADA
『第二次上田ハロウィン』
1600年、徳川家康が上杉討伐のため東に向かった隙をつき、石田三成は挙兵する。天下二分の関ヶ原、真田昌幸はどちらが勝っても得をするように、長男の信幸を徳川方に、自らと信繁を石田方に置いた。そして上田の地にて、昌幸は信幸も属する秀忠の徳川本隊と対峙する事となる。しかし秀忠は寡兵である真田に敗北、関ヶ原の戦いに遅参し、家康から大目玉を食らった。
「まったく、この昌幸にホームでイタズラ勝負とか、秀忠も若いな。信繁、大軍を率いているからといって油断するとああなると、しっかり覚えておくのだぞ」
「ええ……ローションまみれ粉まみれの姿にはなりたくないですね」
「よし、では城の中に戻るか。さあ信繁、胸を張って門をくぐるがよい!」
「……なぜ、拙者を先に行かせたがるのです? いつもの父上なら『パパお菓子食べちゃうぞー』と真っ先に戻りたがるはず」
「な、なにを言っておる。可愛い息子が凱旋する姿を背中から見つめ、ああ大きくなったなあと感涙したい日もあるだろう」
「いいえ、そんな可愛げのある父上など有り得ません。まさか、秀忠軍の手応えのなさに退屈して、拙者へイタズラを仕掛けたのではないでしょうね」
「ばばば、馬鹿を言うな!」
「例えば門に落とし穴とか……いえ、今日の気分から推測するに、門をくぐればクリームが上から降ってきて真っ白けパターンですね!」
「なんでそこまで分かっ……いや、違うぞ、イタズラなんて仕掛けてないんだぞ!」
「そこまで言うなら、父上が先に入ってください!」
「いーやーだ、信繁が行け!」
余談だが、秀忠は遅参の理由を『早く皆儂の元に集まって! と指示した家康の使者の到着が遅れたため』としていて、真田に足止めされた訳ではないと主張している。そして実際、家康の使者は川の増水により数日足止めされていた。
家康の重臣・榊原康政の説得やこういった事情により、秀忠はようやく家康に許してもらったのだとか。