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同棲ラプソディー
第6章 |
「よかった」
長かった初恋が終わったような気がした。
「佐藤も、私なんかよりずっとずっと大事な女の子が出来たんだね。
大事にしてあげて」
里香は心なしか、涙ぐんでいるように見えた。
「佐藤」
「ん?」
「ありがとう。たくさん、ありがとう」
俺の好きだった笑顔で里香がそうつぶやいた。
「なんだよ。急に」
「今の私と蒼が幸せなのは佐藤のおかげ」
里香がそんなこと思っているなんて知らなかった。
「じゃぁ、私は一人の夜を満喫するために映画に行くからね。
また同窓会しようね」
そう言って、今さっきの雰囲気をガラリと変えて映画館の方に歩きだした。
「さて。帰るか」
俺は一瞬里香の後ろ姿を見送って。
吉見の手を握って、ゆっくりと歩き出した。
自分でもびっくりするほど里香への気持ちはなくなっていて。
今は、吉見とあの男の事が気になってしょうがなかった。
昼間は天気が良かった空も
日の入りが早くなって、すっかり薄暗い。
繋いだ吉見の手が冷たくて、手をつないだまま俺のコートのポケットに入れた。
俺たちは夕焼けの中、
黙ってお互いの体温を手のひらで感じながら
家までの道のりを歩いた。
長かった初恋が終わったような気がした。
「佐藤も、私なんかよりずっとずっと大事な女の子が出来たんだね。
大事にしてあげて」
里香は心なしか、涙ぐんでいるように見えた。
「佐藤」
「ん?」
「ありがとう。たくさん、ありがとう」
俺の好きだった笑顔で里香がそうつぶやいた。
「なんだよ。急に」
「今の私と蒼が幸せなのは佐藤のおかげ」
里香がそんなこと思っているなんて知らなかった。
「じゃぁ、私は一人の夜を満喫するために映画に行くからね。
また同窓会しようね」
そう言って、今さっきの雰囲気をガラリと変えて映画館の方に歩きだした。
「さて。帰るか」
俺は一瞬里香の後ろ姿を見送って。
吉見の手を握って、ゆっくりと歩き出した。
自分でもびっくりするほど里香への気持ちはなくなっていて。
今は、吉見とあの男の事が気になってしょうがなかった。
昼間は天気が良かった空も
日の入りが早くなって、すっかり薄暗い。
繋いだ吉見の手が冷たくて、手をつないだまま俺のコートのポケットに入れた。
俺たちは夕焼けの中、
黙ってお互いの体温を手のひらで感じながら
家までの道のりを歩いた。