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第2章 １０：００〜

「あっ！　これ可愛い！」


久々に来た、高級デパート。


ハイブランドのショーケースに並ぶジュエリーの煌めきに心がときめく。


「こちらは新作で人気のあるデザインで注目されております」


「そうなんですか！？　本当に可愛いですよね！」


それこそこのジュエリーが似合いそうな綺麗なお姉さんに愛想笑いして、そそくさとお店を出る。


奮発しても、分割払いは確定だ。


自分へのご褒美にしてもちょっと贅沢過ぎる。


１年目の時は、渉も薔薇の花束をプレゼントしてくれたのにな――――


「お腹空いたな……」


心と一緒に、お腹も空っぽだった。