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2年目の関係
第5章 18:00〜

時間なら悲しい理由だが、ある。
「うん……大丈夫だけど」
「本当? 渉、今日帰り遅いの?」
「今夜は接待らしいの……遅くなるんだって…」
結婚記念なのに――――
とまでは、言えないけど。
「そっか…なら俺、今日ラッキーだったな」
「え……どうして?」
嬉しそうにはにかむ山之内くんに、胸がソワソワ落ち着かなくなる。
人妻であることを一瞬忘れそう――――。
言葉の意味を探すように、ジッと山之内くんを見詰めてしまうと
「行きつけのバーがあるんだ……。良かったら少し飲まない?」
席から立ちあがりながら、手を差し出す山之内くんの姿が映画のワンシーンみたいで――――
頬が熱くなった。

