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2年目の関係
第9章 21:40〜
目隠しで覆われていた視界は、少しボヤけていた――――。
照明を背に、私を抱く人物は影っている。
額と頬に汗を光らせ、眉根を険しく寄せていた。
「さっきから山之内、山之内と呼んでるかと思ったら、今度は渉、渉って……何なんだよお前!」
腰を動かしながらも不機嫌そうに説教してくる人物は、爽やかな山之内くんとは程遠いイメージ。
「なんで……?」
「はぁ? 何でって……何だよ?」
「なんで……突っ込んでいるの?」
「ツッコムところ、そこかよ!?」
「だって今日は……」
「結婚記念日だろ……」
――――なんで貴方が居るの?
目の前にいるのは――――
渉だった。