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呟きたい
第25章 ラストクリスマス
「うわった……ご、ごめんなさい!」
「いてて……前見て歩いてよ、オニイサン」
「どした、光樹」
「んーん、なんでもないよ。貞治」
「失礼しますっ」
「なにアレ、可愛い」
「知り合いか?」
「別に~」
「……どした」
「俺ってあんな感じなのかなって」
「なにがだ」
「大好きな人がいますってキラキラして走ってるあの感じ」
「あそこまでわかりやすくはない」
「そう?」
「お前はお前だ。誰にも似てないよ」
「ふふー。貞治も唯一無二の俺のオウジサマだもんね」
「……ったく。クリスマスにまさかここに来るなんて。あの夜からは想像もつかなかったな」
「ちなみにさっき凜見かけたよ」
「なんで平然と言ってられるんだよ……」
「だってここは夢の国でしょ。俺と貞治の無敵ワールドじゃん」
「……手」
「え、あ……っ」
「どこにでもお連れしますよ、お姫様」
「ふふー。やったね。じゃあまずは王子の部屋に連れていって」
「下心しかない姫だな」
「そんなもんだよ、お姫様なんて」
「了解ですよ」
「戒! 戒ってば!」
「なんだ、巧」
「オレもあれやって、あの姫様扱い!」
「く……何を言い出すかと思ったら」
「オレ奥様より姫様がええ」
「ははははっ」
「バカにしとる」
「してない」
「まだ笑てるやん」
「余りにお前が可愛いからだよ」
「……卑怯やわー。ほんま卑怯や」
「巧」
「なんや?」
「……ホテルに帰ったらな」
「んなっ。なにゆうてんのもう……」
「次は何乗りたい?」
「……戒はん」
「……エロガキ」
「誰のせいやねん」
「ははははっ。帰るか」