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呟きたい
第25章 ラストクリスマス

「うっわぁあ……花火綺麗!」
「花火ごときで五月蝿いな……」
「道化は花火は嫌いなの」
「観るのは好きよ、サイレントでね」
「もったいない」
「けどね」
「なーに」
「生きてた頃は、こう……腹に響くのが怖かったけど今はそれを感じられない。そしたらなんかそれが懐かしいの。気持ち悪い話だけどね」
「……窓、開けるね」
「寒いわよ」
「でもこうした方が、体の芯まで音を楽しめるか……ら」
「なに泣いてんのよ、ばか」
「うん。ごめん」
「謝んな」
「うん。メリークリスマス、道化」
「独りの聖夜に乾杯ね」
「貴方がいるもん」
「ふ……メリークリスマス」
「わっ、ね、見た? 今の見た? ミッキーの形してたよっ」
「すごいすごい」
「絶対見てない」
「良いじゃないの。あんたが見れたなら」
「……私は貴方と共有したいの」
「寂しいクリスマスも?」
「ああっもう、そうだよ」
「ありがと」
「へっ」
「あっ、でかいの来る」
「どこどこ?」

