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呟きたい
第48章 姿勢⑦

「脱げばいいってもんじゃないのよね」

「どしたの、鳴海。カップでも小さくなった?」

「完全なセクハラ」

「何のはなし?」

「いやね、こないだのMステの林檎ちゃん観て思ったの」

「彼女は正に官能て感じだよね」

「そうそれ」

「ムーディって言えばいいのかな? 腰じゃなくて肩でエロを表現していたブロードウェイみたいな」

「そうそれ。なんなの、隆人。よくわかりすぎじゃない?」

「ドリームガールズの影響だよ」

「あのサディスティック大好きなんだけどさ、直立で歌ってた林檎ちゃんが後半にちょっとだけ身を屈めて体を揺らすとこあったでしょ? 鳥肌立っちゃって」

「印象的だったよね」

「あれってさ、少女には出せない色気な訳でしょ」

「丁度鳴海くらい?」

「年齢は知らないけど、ああいうことなのかなあって」

「官能?」

「そう。脱ぐとかヤるとかじゃなくて。目付き、腰付き、気だるく開いた真っ赤な唇とかさ」

「肩にこだわり始めると大人って感じするのは僕だけかな?」

「いや、わかるわよ」

「腰骨と同じくらい肩の陰影って素敵だよね」

「そう。そうそれ」

「鳴海の白衣の皺も僕は好きだけど」

「……セクハラよ」
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