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第50章 振り返った2015

「今年は誰が苦労するんやろな」

「お前はハッピーエンド迎えたから他人事だろ」

「一郎が美月ちゃんと結ばれますようにーって初詣してこよか？」

「……本気で断る。そこのガキは？」

「尚哉です。俺の周りは皆苦労してる感じなんで……俺より頑張ってるやつもいたし」

「でも貴方がここに選ばれたってことは、その人たちよりも純粋で強い思いがあるからじゃないかしら。守ってあげたいその子を守ってあげられる気持ちが」

「で……すかね」

「青春やー。ええわ。羨ましいのー」

「どうせ俺は今年も苦労し続けるさ」

「椎名ちゃんたちはどうかしら」

「あんさん、あかんで。それ出したら。全く更新されてへんガキらが不憫すぎる」

「言うなよ。みなまで」

「俺らと同い年が頑張ってるんですよね。あそこも」

「ふふ。若い子たちがメインの年になるのかしらね」

「その反動で兄弟サイトじゃオヤジ同士を書いてるらしいがな」

「アラフォーは若者や」

「そうね」

「青臭い一年になりそうやけど。こういう奴らもおんねんねってことを忘れんで欲しいな」

「ですね」

「二杯目いきましょうか」

「弦宮さん飲みますね」

「久しぶりだもの」

「あんさん以上の女は出てこおへんやろうな」

「あら、そんなことないわ。でもありがとう」

「美月があんたくらい常識持ち合わせてれば」

「何言うてんの。つまらんやろ、それじゃあ」

「俺まだまだいける気してきました。今年も」

「おう。ヤれヤれ、若いの。何してもええで」

「ふふふ。そうね。恋は何をしてもいいのよ」

「法に触れても成し遂げたいんならだろうが」

「なぜ全員法を犯す気満々な発言なんですか」

「特殊性愛に法律なんてくそくらえなんだよ」

「ほお。一郎酒が回ったら一人前に吠えんな」

「好きな人を手に入れようとするのは素敵ね」

「輝いた四人てゆうことやな。カルテットか」

「弦楽あるから弦宮さんにかけたのか、お前」

「そこまで頭回らんかったわー。無意識天才」

「っく。第一印象と違いすぎですよ。笑える」

「注いだるわ、尚哉。振られたらうちに来い」

「やめとけ。娼婦に改造されて売られちまう」

「ええ！？　汐野さんそういう稼業の人！？」

「ちっ」

「ちっじゃないの」

「とりあえずもう一回だ」

「はい」

「ええ」

「乾杯」