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第51章 ホワイトデー

「もーいーくつねーるとー」

「ホーワーイートーデー」

「ホワイトデーにはチョコ食べてー」

「金欠気にせず貢ぎましょー」

「もーいーくつねーるとー」

「しーんーがーっきー」

「……くそが」

「歌いきっといて！？」

「仲良しか、五月女兄弟」

「うおおおおっ？　三陸居たのかよ」

「……くそが」

「おいおい、後輩？　俺先輩」

「暇だよ、三陸」

「だからって屋上で弟と歌うことないだろ」

「陸先輩、かんな見ました？」

「え？　いや」

「はー……そうすか」

「何お前、チョコもらいてーの？」

「兄貴、うぜえ」

「中学までは三桁もらってたんだろ」

「なにそれ、やべえ」

「聞いてくれよ、三陸。弟はモテるんだよ」

「兄貴も大概だろ。つーかそのだせえ金髪やめれば貰えんじゃねえの」

「だせえか？」

「黄色とかありえない」

「俺は似合ってると思うけどな」

「さんきゅ」

「……ホワイトデーなあ」

「返す相手くらいいるだろ？」

「……意味ねえし」

「かんなちゃん以外？」

「貰ってねーし」

「まじか？　オレ貰ったよ。なあ？　三陸」

「あ、ああ。バレンタインのとき配り歩いてたぞ」

「は？」