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呟きたい
第1章 設定に関して①

 「あぁ、これこれ。あだ名についてだそうです」

 「あだ名?」

 「えっと、篠田先生はしののん。雛谷先生はヒナヤン。人気教師に必ずつくこの可愛らしいあだ名が、なぜまだ類沢先生についていないのか」

 「……」

 「読者の方々から注文もないので、いいかな~と思いつつ、メイン教師類沢に何かつけたくて堪らない、と」

 「そうか……僕だけないんだね」

 「つけたい……ですか」

 「なんでそんなに嫌そうに訊くの」

 「だって、類沢先生が"ルイルイ♪"とか"サワヤン♪"とか呼ばれるの想像出来なくて」

 「なにその音符マーク。別に、興味もないしねぇ」

 「つけられるとしたら何がいいですかね?」

 「僕が?」

 「はい」

 「そうだね……」

 「……」

 「……」

 「……」

 「思いつかないね」

 「ですよね」

 「……」

 「……」

 「次、なんだっけ?」

 「ああ! えと、この小説の設定についてですけど」

 「見せて。……へぇ。どこまでも玩具の代名詞ともなっている調教シーンが段々過激さを増している気がする。これは、良いことでしょうか、だって」

 「頭の中で呟いて完結しろっそんな悩み」

 「大事なことだよ。核とも言える」

 「言えません」

 「これはね、作者のレイプ願望が膨らんで来てるってことだよ」

 「げほっ……ごほ。なに云ってるんですか!」

 「作者のレイプ願望が」

 「二回も言わなくていいっ」

 「心理学的にそうなんだよ。陵辱ものを書く人は自分がそうされたいと思っている。逆に犯したいと考える人は純愛ものを書く傾向があるらしい」

 「はぁ……」

 「だから少女マンガの作者は危険な男達だし、青年マンガの作者は妄想好きな女性が多いってデータが」

 「あるんですか?」

 「らしいよ」

 「……」

 「……」

 「これ、なんのコーナーでしたっけ」

 「作者の呟きコーナーだろ?」

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