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呟きたい
第12章 ホストについて③

 「おれは隅でポーカーやってる」

 「ポーカー?」

 「キャッスルの如月さん主催でね、毎回エントリーしてんの。賞品は車だったり酒だったり? 参加に二万かかるから本気でね、楽しいよ」

 「類沢さん、そういうの得意そうですけど」

 「ポーカーは嫌い」

 「なんでですか」

 「篠田に勝ったことないから」

 「チーフ強いですよね……如月さんの唯一の強敵っつーか」

 「逆に篠田チーフの苦手ってあるんですか?」

 「……甘いもの?」

 「ああ、っぽいですね」

 「今年はみぃずきも来たらいいじゃん」

 「えっ。だとしたら壮大なネタバレじゃないですかコレ」

 「そうなるね」

 「ガヴィアは参加するんですかね」

 「さあね……来るなら荒らしにだろ。どちらかと云えば、ガーデンの方が肩身は狭いんじゃない?」

 「勿体ないなぁ。あそこの差し入れのウイスキー美味しいのに」

 「ひとつ、いい?」

 「ん?」

 「アカって今年二十歳ってことは」

 「あははっ。飲んでる飲んでる。十六からかな」

 「類沢さんは十四でしたっけ」

 「確か」

 「やっぱ上にいる人たちヤバいなぁ」

 「伝説は我円兄さんだよ。小学生で家出して単身歌舞伎町に乗り込んできた」

 「ええっ」

 「デビュー最年少だったね。年齢詐称して、十三には客をもう取ってたから。僕が歌舞伎町に来た時には名前を知らないホストはいなかった」

 「えええっ」

 「今三十六で伴が二十歳でしょ」

 「あっ……すっげ」
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