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私は犬
第14章 お友達?

モニターには「九宝、これお前のだろ?」と言いながら、片方だけのパンプスを、顔の前でユラユラとぶら下げる音羽主任が写っていて、本当に驚いた。
ビックリしながらも玄関に駆け寄る。そして鍵を開けて扉の向こうの存在を改めて目で確認した。
呆気にとられていると、「今1人か?」と様子を伺うように尋ね、下に目線をさ迷わせながら、音羽主任は入ってきた。
「ひっ、1人です。」
先ほどの男と一緒にいるのかと、そう疑われているようで悲しい…。でも、それらをどう日本語で表現すべきか。それが全く分からない。
黙って下を向いていると、「これもお前のだよな?」と、あの時投げ捨てたコートをそっと手に渡された。
「なぁ?何があった?」
玄関の床にしゃがみ込み、私を下から覗き込むような格好の音羽主任の姿が、不意に視界の全てを占領するから。口の中の水分が急速に無くなってゆくような感じがして仕方ない。
「なあ?どした?何があった?」
さっきより力強い声で同じ質問が繰り返される。ここは何と話すべきなのか…。全く分からなくなってしまった。
「な、何もありません…。」
かろうじて、そう告げるだけで精一杯で。言葉を探しながら、そこに立ち続けた。
ビックリしながらも玄関に駆け寄る。そして鍵を開けて扉の向こうの存在を改めて目で確認した。
呆気にとられていると、「今1人か?」と様子を伺うように尋ね、下に目線をさ迷わせながら、音羽主任は入ってきた。
「ひっ、1人です。」
先ほどの男と一緒にいるのかと、そう疑われているようで悲しい…。でも、それらをどう日本語で表現すべきか。それが全く分からない。
黙って下を向いていると、「これもお前のだよな?」と、あの時投げ捨てたコートをそっと手に渡された。
「なぁ?何があった?」
玄関の床にしゃがみ込み、私を下から覗き込むような格好の音羽主任の姿が、不意に視界の全てを占領するから。口の中の水分が急速に無くなってゆくような感じがして仕方ない。
「なあ?どした?何があった?」
さっきより力強い声で同じ質問が繰り返される。ここは何と話すべきなのか…。全く分からなくなってしまった。
「な、何もありません…。」
かろうじて、そう告げるだけで精一杯で。言葉を探しながら、そこに立ち続けた。

