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私は犬
第3章 【第1章】帰国
黙って聞いていると、どうやら孝徳さんは私の意見に賛成で、そうすべきだとおば様を説得されているよう

おば様は反対で、「何かあったらどうするの」とか


「悪い虫がついたら」とか「とられちゃったら」とか。「お嫁さん」とか。色々とご意見を述べられていて


それを聞いて、そうよね。虫は嫌だわ。お洋服についたら困るもの……。と心の中で密かに頷く


「敬子(としこ)さんや、蓉子(ようこ)さんに申し訳なくて枕を高くして眠れないわ」等とお婆さまとお母さまの名前を口にしだした



ここはどうしたものかと考えあぐねていると、


「真子ちゃんは本当はどうしたいんだい?」と孝徳さんに問いかけられる



咄嗟の事に思考が停止してしまいそうになる。けれど、ここはきちんと言わねばならない

「私、学業を終えたら1人で暮らそうと、ずっと思っておりましたの。その為に必要な計画を立ててもみました」


そう告げると、「その計画を聞かせてくれないか?」と言われた


横からおば様が口を挟んでくるのを「母さんは少し黙って下さい。それじゃ、真子ちゃんが話せないでしょう。」と冷やかに諌めている


素敵。とても知的で大人な対応だわ……。私もこんな人になりたい。あら、いけないわ。考え事してる場合じゃなくて計画をお話ししなくては!


私は大学在学中に温めた計画をお話しする為に頭を巡らせて、伝えるべき事を整理しはじめた
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