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私は犬
第4章 慣れるまで
備え付けられたウォークインクローゼットの扉を開くと、持ってきたスーツケースは既に空っぽで、荷ほどきはすっかり終わっているようだった。


おまけに、沢山の衣類に囲まれて自分の荷物がどこにあるのか、さっぱり分からない



「クローゼットのお洋服も着てちょうだいね」との、おば様のお言葉を思いだし、適当に色だけで無難そうな無地のワンピースを選んで下に黒いタイツをあわせた。


ワンピースの色は…。灰色がかってはいるもののピンク…。何というか…。ロマンチック?



ピンクばかりが目について。何というか…。ピンク色を嫌いになりそう。


ピンクという色は、色白な女の子のための色だと思うの


私みたいなソバカスだらけには似合わない。絶対に


胸も歴代のルームメイトたちと比べると、いささかというか、かなり不足気味だし


右の乳首なんて、先っぽがヘコんでいるのよ…。寒いと勝手に飛び出すけれど…。よく見ると右ほどではないものの、左もほんのりヘコんでいる…。


見るたびに、ちょっと泣きたくなる。


「考えちゃダメ」と呟いて、大急ぎで身支度を整えて部屋を出た


あ。ベッドメイク忘れた。後でやればいいかしら…。
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