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私は犬
第23章 私の事情
それに…。どうして一緒にお出掛けしなくちゃならないのよっ!

「私、行きたくない。」

「……………。富士山見えるぞ。日本の象徴、Mt.Fujiだ。今の季節の富士山見ない奴は日本人じゃねぇ。お前、ちゃんと見た事ある?」

「ちゃんとは無い。飛行機とか新幹線からならある。」

「だろ?お前日本人だろ?見とかねぇとヤバいって。」

ああ。そう言われてみれば、そんな気がしなくもない。

「よし。見に連れてってやる。な?」

「うん。」

こうして、富士山を見ながら昼飯に桜エビを食べる事に決まった。首都高を抜けてのんびりと東名高速へ。道が…。混んでる。なにこれ凄い!

「ここは仕方ない。トイレは早めに言いなさい。」

ほら。また先生みたい。私、生徒じゃないのに…。

車内には洋楽が流れていて、有史さんってエド・シーランとか聞くんだ。と思った。

僕がお爺さんになって、足が動かなくなって、今みたいに君を抱き上げられなくなっても。君の唇は僕のキスを覚えていてくれるだろうか。瞳は、ちゃんと笑っていてくれる?…………僕は毎日君に恋に落ちてる。それをちゃんと君に伝えたい。

エド・シーランのお相手は、幸せね。こんな素敵な歌を贈ってもらえるんだもの…。


※曲は Thinking Out Loud。訳は適当。ごめんなさい
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