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私は犬
第30章 主導権*
日曜日
月経痛のように、お腹の奥が少し痛い。昨夜、有史さんの硬いおチンコでたくさん突かれたからだと思う。
赤と青だったおっぱいの噛み痣は、黄色や茶色に変化してきた。何度見てもこれ、気持ち悪い。こんな事を続けていたら、おっぱいがどうにかなっちゃう。だから止めて貰わなくっちゃ。
お風呂から上がって、有史さんが用意してくれた軽い食事を摘まみながら、話題を切り出す事にした。
「有史さん、私、もう噛まれたくないの。だから、そういう事はもうしないで欲しい。」
うん。言った!きっぱり言った!これでも噛む気なら、違約金を払ってでもセックスしないと、そう言おう。
「真子がそうしたいなら、そうしよう。」
あれ?反論しないの?有史さんは、手にしたタブレットから視線を外すと、珈琲を口にしながら、静かに同意してくれた。ちょっと意外なんですけど…。
「縛られるのも嫌か?」
ううん。あれは嫌じゃない。痛くさえなければ…。寧ろ好きかもしれない。縄に抱きしめられているような、そんな錯覚を覚えて安心する時もある。
「それは大丈夫よ。」
「そうか…。」
有史さんは、じっと私を見つめたまま、やっぱり穏やかな口調でそう告げた。
うーん…。何かが引っ掛かる。でも、こちらの意見が通ったから、よしとしよう。