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私は犬
第32章 我慢の限界*
箱の裏を見ると、調理に必要な材料が書かれていた。ふむふむ…肉500グラム。お肉のある場所なら知ってるわ。

肉…。何の肉買えばいいの?牛、豚、鳥、ラム、マトン、どれ?

「あー…。俺、豚がいい…。カゴ貸せ。」

有史さんは、いつの間にかカゴに色々な食材を入れていた。

「ねぇ、豚肉500グラムってどれ?」

「……。1箱全部作らなくていい。半分で計算しなさい…。」

じゃあ250グラムね。豚肉もいっぱいあって分からない…。

「俺この肉がいい…。」

有史さんの選んだ肉はスペアリブだった。へー。スペアリブでもいいのか。

「野菜は家にあるから買わなくてもいいだろ。」

そうなんだ。じゃあ買わなくてもいいわ。

「お前、飲み物とかいらないの?」

「シェリー酒飲むからいらない。紅茶もあるし。スーパーに置いて無い欲しい物は、うちの冷蔵庫に入ってるわ。」

「あぁ…下手な店より品揃え凄かったな…。」

「凄くは無いわ。ここに無い物があるだけ。」

果物を見たけれど欲しい物が無かった。冷蔵庫にスイカと桃があったから、それでいい。甘口シェリー酒に合うチーズって何があったっけ?

色々考えているうちに、お会計も袋詰めも全部終わってた。

「……行くぞ。」

レジに並びたかったのにっ!人の楽しみ取らないでよっ…。
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