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第1章 不純な入部動機

「ったく、しょーがねーな。夕飯には早いし、クッキーでいいな？」

深之はタメ息をひとつ吐いて、冷凍庫から棒状のクッキー生地を取り出した。

「やった！ミユキのアイスボックスクッキー大好き♪」

「こないだはマフィン最高って言ってなかったっけ」

「どれも美味しいってことよ」

「…こういう時だけ調子いいよな、アユミは」

と言いつつも、深之はまんざらでもない顔でクッキーを輪切りにして手早く天板に並べ、オーブンにセットする。