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心雨~愛を探して~
第11章 不器用な愛
彼女と成瀬が出て行った後、堪えていた涙が止まらなくなる。こんなはずじゃなかったのに。もっと彼女のことを大切にしたかったのに、想いとは裏腹に僕は壊れてしまった。彼女との想い出が溢れ出す。
初めて話したあの日。最初は、お互い敬語でぎこちなかった。僕の呼び方も今でこそ真守だが、当時は、木内さん。そんな僕たちが急接近したのは、ある日のお昼休憩だった。
「何、聞いてるの?」
熱心にウォークマンで音楽を聴いている彼女に話しかけると、片耳のイヤホンを渡された。それは、とてもとても切ないバラードで……。
初めて話したあの日。最初は、お互い敬語でぎこちなかった。僕の呼び方も今でこそ真守だが、当時は、木内さん。そんな僕たちが急接近したのは、ある日のお昼休憩だった。
「何、聞いてるの?」
熱心にウォークマンで音楽を聴いている彼女に話しかけると、片耳のイヤホンを渡された。それは、とてもとても切ないバラードで……。