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第1章 調教

野々宮あや。

24歳、派遣社員。
現在は、とある印刷会社で事務をしている。


大学を出てすぐに入ったＩＴ会社。
そこでは、先輩の女性社員とうまく折り合えず、人間関係に悩んだ挙句、半年で退社。

もともと一人っ子で、両親、ことに父親の愛情ははんぱなものではなく、あやは自他共に認める父親大好きっ子であった。
なにしろ、父親のことを「みっくん」と、君付けで呼ぶのだから、そうとうなもんである。

それは全然悪いことでもなんでもないが、甘えて育ったためか、自分をお姫様か悲劇のヒロインのように気取る部分があり、それが周りの女性には鼻持ちならなかったようだ。

そんなことで、今の職場に流れ着いた。


ここでもいやな人間関係がまったくないとはいえないが、以前の職場から較べれば月とすっぽんほどの差がある。

それは、多少なりとも叩かれて強くなった部分、もあいまっているのかもしれない。