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恋はどこからやってくる?
第1章 出会いは深夜
重苦しくなりかけた空気が払拭され、話題は自然とシフトチェンジされていった。
互いの会社が割りと近い事に盛り上がり、高校時代の部活がサッカーだという共通点に盛り上がり、紺野の醒めた恋愛過去話に盛り上がり、気付けば時計は深夜を指していた。
「やべっ、こんな時間! 俺、そろそろ…」
飲み干した缶を手早く片付けながら紺野は腰を上げた。
「いいよ、そのまんまで。 遅くまで付き合わせて悪かったな」
「いえっ、全然! フラれたっていうのに楽しい夜でした」
「あはは、そりゃ良かった。ところでお前、何号室なん?」
「あ、503なんで、ここの真下ですね」
「マジか! じゃ、明日は思いきり床を足踏みして起こしてやるよ」
「えー、勘弁してくださいー」
「ご馳走さまでした」と紺野が帰っていくと、柏木はソファーに足を投げ出し、長かった今日一日を思った。
──散々だったけど、まぁ悪い一日じゃなかったな
ささくれた心が、ふわふわとした毛布に包まれたようで、目を閉じた柏木には穏やかな笑みが浮かんでいた。
互いの会社が割りと近い事に盛り上がり、高校時代の部活がサッカーだという共通点に盛り上がり、紺野の醒めた恋愛過去話に盛り上がり、気付けば時計は深夜を指していた。
「やべっ、こんな時間! 俺、そろそろ…」
飲み干した缶を手早く片付けながら紺野は腰を上げた。
「いいよ、そのまんまで。 遅くまで付き合わせて悪かったな」
「いえっ、全然! フラれたっていうのに楽しい夜でした」
「あはは、そりゃ良かった。ところでお前、何号室なん?」
「あ、503なんで、ここの真下ですね」
「マジか! じゃ、明日は思いきり床を足踏みして起こしてやるよ」
「えー、勘弁してくださいー」
「ご馳走さまでした」と紺野が帰っていくと、柏木はソファーに足を投げ出し、長かった今日一日を思った。
──散々だったけど、まぁ悪い一日じゃなかったな
ささくれた心が、ふわふわとした毛布に包まれたようで、目を閉じた柏木には穏やかな笑みが浮かんでいた。